第1回日本培養食料学会大会 開催のご挨拶

　このたび、第1回日本培養食料学会大会をここに開催できることを、心より嬉しく思います。
　近年、気候変動や人口増加、環境負荷といった地球規模の課題に直面する中で、「食」のあり方が大きく問い直されています。従来の農業や畜産に依存しない、新たな食料生産の手段として、細胞・組織培養技術を基盤とした「培養食料」が注目を集めています。
　本学会は、細胞農業・再生医療・バイオマテリアル・組織工学・食品科学・環境科学・社会倫理など、幅広い分野の知見を結集し、学際的な連携と議論を通じて、持続可能な未来の食を共に創り上げることを目的に設立されました。
　記念すべき第1回大会では、「Future Food Frontier ～細胞から創る豊かな食～」をテーマに掲げ、最前線の研究成果の共有や企業・行政との対話を通じて、多様な視点から「豊かな食」の実現に向けた展望を描きます。
　本大会が、皆様にとって、新たな知見と協働の種を育む場となるとともに、若手研究者の育成の場ともなり、本領域の発展に寄与することを願ってやみません。
　最後に、本大会の開催にあたりご支援・ご協力を賜ります、すべての関係者の皆様に、心より感謝申し上げます。

第1回日本培養食料学会大会 大会長
清水 達也（東京女子医科大学 先端生命医科学研究所）